ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC
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子どもと先生を育てる授業のABC
17発問のちがいに着目して活用する「発問」には,学習をコントロールする役目もあります。子どもに尋ねながら授業の流れをつくっていく役割です。授業の導入など,子どもからいろいろな考えを引き出したい時には,「拡散的な発問」を意図的に使います。「誰も気が付かなかった,こんな考えもあるよ」「もっとないかな」「ちがう考えはない?」など,単調に流れがちな授業に幅をもたせる働きをします。また,まとまりかけた授業を拡散させて,一層活性化させる働きもします。他方,授業をまとめたい時,子どもの考えを具体的にしたい時などには,「収束的な発問」が活用できます。「同じ考えの人はいませんか」「共通することは何だろう」「まとめるとどんな言葉になるかな」など,広がり過ぎて収拾に困った時などには有効に働きます。他に,異なる立場から考えるために視点を変えることを意図した言葉,共通点や相違点から考えを類推させる言葉,ディベートのように立場を明確化して根拠を問う言葉など,使い方によって,子どもの考えの広がりや深まりを求めることができます。やはりどんな授業においても,全体をコントロールするのは先生です。子どもとの応答をもとに,時宜を得て「授業の鍵」となる発問をする必要があります。「授業の鍵」となる発問は事前に決めておきます。その発問によって授業の山場が生まれ,活性化させたり,まとまりをつけさせたりすることになるからです。1年生の算数の授業です。*1)「●○○○」を提示して,先生が「●は何番目?」と発問すると,「1番目」という答えが返ってきます。先生が「それで終わり?」と聞き返すと子どもたちは考えます。「あっ!4番目」という子どもが現れます。「え?!」という他の子どもたちの反応があり,「そうか,右はじから左へ4番目」という起点と方向の意味を確認することになるのです。「まだある!!」授業の鍵となる発問は先に決めておきましょう。20*1)『授業のススメ』北海道教育大学附属札幌小学校発行1989※川喜田二郎『発想法-創造性開発のために』中公新書1967