ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

21よい授業への第一歩「わかること」は喜びです。わかる授業をめざす場合の指針があります。わかる授業にするために,どんなことが必要でしょうか。まず,教科書を大切にすることです。教材研究をする時も,指導に迷った時にも教科書です。また,授業の流れは,略案でもかまいませんが,子ども一人一人の顔が浮かんではじめて,指導案(細案)になります。子どもと遊んでいるうちに,子どもの特性を知り「そうか,子どもってこうなのか」と気付いて指導方法が浮かんできます。授業中,先生をしっかり見つめ,「学びたい」という子どもの顔を見付けることができたら,「わかる授業」への第一歩です。子どもに支えられ,子どもから「今日の授業面白かったよ」といった賞讃を得た授業の記憶は忘れることはありません。これが「よい授業」をめざす次の一歩です。「よい授業」にゴールはありません。常に挑戦です。子どもの心に寄り添いつつ子どもの考えに身を委ね,子どもとともに成長しようとする気持ちが大切です。授業後は他の人の批評に耳を傾けつつも,授業の最終評価者は,子どもであり,自分です。「この程度で」と考えたら,そこですべてが停止します。終わりのない授業づくりの道だからこそ,面白いのです。先生としての面白さはここにあります。授業は教材と子どもと先生の間で構成されています。同じ指導案でも,まったく異なる展開になることがあります。そのちがいの多くは,子どもと先生との関係にあります。子どもとの関係性をどう構築するかは,先生の資質や能力であり,先生の人間性にまで及びます。子どもの声に傾聴し,子どもとともに授業をつくり上げる先生をめざしたいものです。子どもに学び,子どもと学ぶ,子どもとともにある先生。28