ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

23「意見」という励まし公開研究会などで参観者から「質問ですが,評価のことを教えてください」など,質問を受けることがあります。けれども,深読みするとそのほとんどが「質問」という名の「批判」や「意見」の時があります。これらは,日本人独特の,相手の気持ちに配慮しつつ,気付いてほしいという願いから生じています。話をする時には,相手にどんな印象を与えるかを考える必要があります。次のどちらをいわれた時に,「よし,次はがんばるぞ」という気持ちになりますか?A「味は薄いけど,美味しいね」B「美味しいけど,味は薄いね」A・Bのちがいは,「批判」と「賛同」の順番です。いう側と聞く側との親密さなども関係しますが,はじめに叱られても,あとで十分ほめてもらえたら気持ちよく,次の行動に移ることができるということです。このごろは,「ほめて育てる」ことが定着していますから,叱ることの難しさは,いろいろ感じます。若い人の気持ちを損ねず,やる気にさせる話し方は,先輩諸氏の課題の一つです。授業を見ていただいて講評をもらう時には,自分から甘い言葉の部分は捨てて聞くようにします。「今日の先生の授業は,とてもよかったよ。でも…」としたら,あとの方に,その人のいいたいことがあります。何ごとにも,「転んでもタダでは起きない」つもりで,厳しい意見をいただいて学ぶことです。それでも,あまり疑い過ぎると人間不信になるでしょうから,広い心で受け止めながら,さらに挑戦する気持ちをもち続けることです。反省からしか学べないことを知ることです。30