ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

25イメージは理解を深める4 4 4 4 4 4 4「遠くの多くの大きな狼が氷の上を十ずつ通って,ほお4ずきのようなコオ4 4ロギの頬にチューをした」これは国語で「おう4さま」か「おお4さま」かなど,読み方は同じでも,ものによって使い方が異なるという言葉です。多くは「う」を使うのですが,「お」を使う言葉もあります。その「お」を使う言葉を羅列的に覚えるのではなく,心の映像とでもいうイメージを併用すると,理解は進みます。また,歌のようなリズムが生まれると,子どもは楽しく覚えます。歴史の年代を覚える時も同じです。さて,「とおく」「おおく」「おおきい」「おおかみ」どれも,「お」のつく言葉です。狼がコオロギの頬にチューしている情景が浮かびますか?子どももきっと楽しんで覚えるでしょう。イメージは理解に影響します。イメージすることができたから人類は,太古より身を守り,生き延びてきたともいわれます。イメージのもととなる想像力は,もちろん芸術などにも発揮されますが,広く人間のつくり上げた文明や文化の基盤となっているのです。未来を予測するのも想像力の働きです。想像力は太古の昔から人間とともに生きてきたのです。人間に備わった想像力は,この世に生を受けた時から,ともに生きて働いているのです。ですから,子どもはイメージの世界に生きているともいえるでしょう。子どもは,大木の洞を見付けて,木の中,土の中で楽しそうに生活する動物の世界を想像します。想像をふくらませて「物語」をつくり楽しむことができるのです。子どもの見方を理解しようとすると,子どもと共有できることがたくさんあります。子どもと一緒に想像を楽しんでみませんか。32※中沢和子『イメージの誕生-0歳からの行動観察』NHNブックス353 1979※藤岡喜愛『イメージ-その全体像を考える』NHKブックス431 1983