ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

26子どもがよく見えている先生に「子どもをよく見ている先生」から「子どもがよく見えている先生」になりましょう。*1)子どもの生命や安全を守るのは,先生を含め大人の責任です。しかし,そのことだけを全面に出すと禁止事項ばかりを口にすることが多くなります。子どもを見ていても「監視する眼(子どもをよく見ている目)」ばかりが働いて,子どもの時代に,子どもが学ぶべきことが学べないままになることがあります。子どもが「どろんこ遊び」を好んで楽しもうとしても,制約させることばかりに目が向きます。発達に応じた指導を充実させることが必要です。指導に当たって大切なことは,子どもの特性を知り,子どもが成長するために必要なことを,子ども自身の手で獲得できるようにすることです。まずは,子どもを知ること<子ども理解>です。心身の安全を基盤にして,先生ができる支援は,どのようなことを予め予測し,環境を整えるかということです。「指導者の眼」は,「子どもがよく見えている先生」の目なのです。教育者としてのまなざしは,子どものあるがままを受け入れつつ,伸びようとする子どもに対して,期待と支援をする愛情に満ちたものです。我が国の幼児教育の基礎を築いた倉橋惣三は,『育ての心』の中で,「まめやかさ」と題して,「子どもの力に絶えず驚きながら,その詠嘆のひまもすきもない程に,こまかい心づかいに忙しいのが教育であり,教育者である。」*2)と述べています。まめまめしく働く様子を表す「まめやかさ」を漢字に直すと「忠実やかさ」となります。3子どもがみえる見えてくることを受け止めることからはじまります。*1)佐伯胖『幼児教育へのいざない-円熟した保育者になるために』UP選書東京大学出版会2001*2)倉橋惣三『育ての心』倉橋惣三文庫フレーベル館200833