ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC

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概要

子どもと先生を育てる授業のABC

30教えはなくても「教育」はある先生の教えがなくても,教育は成立するかという問いに対しては,<成立する>と答えます。しかし,学校教育において「先生」がいなくても,「教育」は成立するかという問いに対しては,<成立しない>と答えます。「教え」はなくても,子どもの学びを育てる環境(人・もの・こと)を整えることで,学びは成立します。「教え」のための知識や技術をもつことは,先生としての幅を広げることになります。しかし,それのみであれば,知識や技術の伝達者でしかありません。「教えるということは<芸>であって<科学>ではない。もし子どもを救えないのなら,せめて傷つけることだけはやめるべきだ。子どもたちのなかで経験を積むことによって,先生になっていくのだ。」*1)先生は子どもによって育てられるともいえます。「先生」が育つことで,子どもも親もともに育つのですから,先生の資質や能力を高めることは,子どもの生き方にまで影響を及ぼすのです。先生という仕事の多くは,子どもと共有する授業づくりです。学習の主体者は子どもです。授業づくりの主体者は先生です。授業づくりは,先生に委ねられています。自分の授業をどう改善していくか。自分の授業の画像で分析し反省材料にすることもできます。しかし,科学を否定するものではありませんが,よりよい授業をめざすのであれば,授業を公開することを勧めます。他の視点などが入らなければ自己満足や自己嫌悪に陥りやすくなります。他の人に見ていただく機会を増やすことが大切です。保護者に公開する参観日,校内で同僚に見ていただく校内研修,また,校外の先生方に見ていただく授業研究などを進んで公開し,授業改善に生かすことです。4喜びがみえる授業は子どもと先生の思いが育まれる場です。*1)ジャック・グリーンシュタイン,中山容訳『先生も人間です』晶文社1989※藤岡完治ほか『成長する教師-教師学への誘い』金子書房199837