ブックタイトル子どもと先生を育てる授業のABC
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子どもと先生を育てる授業のABC
3「勉強」ってつらいもの?つとし「勉強」という漢字は「勉めて強いる」と書きます。「強いる」とは無理に押し付けることです。我が国において勉強は,「我慢して,無理してやらなければならないもの」という考えが根底にあります。果たしてそうでしょうか。子どものころは「よく遊べ,よく学べ」といわれてきました。この「遊び」のとらえ方が,時代とともに変わってきているように思います。「学び」には,自ら進んで主体的に行うものとする考え方があります。主体的といえば「遊び」も同じです。幼児期などは,遊びそのものが学びです。みんなと砂場で遊んでいる時には,社会性や創造力などが育まれます。それが,小学校から教科学習が本格化するようになると,「遊び」は,「勉強」と反対の極にあるもののように扱われはじめます。遊びは,気晴らしであり,享楽的な扱いを受けるようになります。学びが「勉強と遊び」に分けられ,硬直化していくのです。私たちは,知識は「与えられて得る」と思い込まされてきました。勉強は「遊び」の反対語で,「学び―遊び=勉強」という図式が染み込んでいます。本来,学びは面白く,学校だけに限定されないことを知っているはずなのに,大人は「勉強」というものに縛られています。心身が硬直しはじめている大人に,今まさに必要なのは「学びほぐし」ではないでしょうか。まず大人である先生が,型通りの経験を解きほぐすように,「学びほぐし」が必要です。そのためには,子どもと接して,「今まで当たり前と思っていたことが,当たり前ではなかったことに気付く」ことが大切です。子どもが出合った事象に対して目を輝かせ,学ぶことを楽しんでいる姿に心を寄せることです。子どもを知ること,子どもの力を信じること,その上に指導が生まれるという原点を知ることです。学びの原点を知ることです。6※苅宿俊文,佐伯胖,高木光太郎編『まなびほぐしのデザイン』東京大学出版会2012※佐藤学『学びから逃走する子どもたち』岩波ブックレット524 2000