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概要

子どもの絵の発達と道筋

11Ⅲ 図式期 5 歳?8 歳ごろ漠然とした全体知覚が優勢で、記憶していること(知っていること)を絵にかく。展開描法、多視点画法、レントゲン描法や興味のあるものを拡大してかく(拡大描法)。基底線や空が表れ、画面上に空間設定ができる。平面的で重なり、遠近がない。男の子は乗り物、怪獣、ロボットなど、速いもの、強いもの、メカニックなものを好んでかく。戦闘的な表現をする。花・人・太陽など、絵記号を組み合わせて図式的にかく。女の子は花、女の子、太陽、小動物を組み合わせて、平和的な絵をかく。 ここから9 枚(1-16 ?20)は公立幼稚園の年長組の子が6 ~ 11 月にかいた作品。 下の絵は園庭の池にいるカエルと蓮の花をかいたもので、5 歳児の子がよくかく図式期初期の表現。 上は男の子の作品で、下のギザギザは池の底に泥がたまっていて、左はカエル、右には池にいる虫と虫の家をかいている。イメージしたことをばらばらにかく象徴期の表現で、ミロ(2-7)やクレー(2-6)の表現と共通している。1-16 「園庭の池」 Ⅲ 図式期 5 歳 上の絵は、プールで泳いでいる絵で、下の2 人は潜っているところ。問題は上の2 人で、飛び込んだところと思ったが、本人に聞くと泳いでいるところだと言う。 このころの子は水と重ねてかけないので、水面の上に泳いでいる人をかいた。 古代エジプトの絵(2-5)に重なるものを積み上げてかくのと同じ。 下の絵は断面図的にかいた絵で、空中で泳いでいる子が2 人いるのがほほえましい。1-17 「水泳」 Ⅲ 図式期 5 歳