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概要

新・図工のABC

132時間目育てたい力を考えよう形や色の名前が分かるだけではなく図画工作でめざす「知識」には,形や色の名前などの「事実的な知識」だけでなく,形や色の概念といえる「概念的な知識」があります。教科の目標の(1)の「知識及び技能」には「対象や事象を,形や色などの造形的な視点で捉え」とあります。対象や事象とは「ものの様子や,出来事(もの・こと)」です。それを形や色などで捉えるという主体的な行為が知識を得ることです。低学年では「色にはいろいろある」ことを理解することを「気付く」という文言で表しています。単に「赤,青」などの呼称を覚えるのではありません。表現や鑑賞の活動を通して「色」の違いを捉えながら「色の概念の基礎」を形成することを指しています。これが,教科の目標の(1)の「知識及び技能」に位置付いている「対象や事象を捉える造形的な視点」です。低学年では,〔共通事項〕のアや指導計画の作成と内容の取扱い2(3)の「いろいろな形や色があること」につながります。中学年では形や色から派生する「感じ」もあること,これらの上に立って高学年では「造形的な特徴」として捉え表現に生かしたり,鑑賞したりするときの手がかりにする「造形的な視点」をもつことなのです。あることを認める「認知」から,「理解する」という過程を経て形や色の概念が形成されます。その概念は成長に伴う経験によってさらに更新され,新たな形や色の概念となるのです。それは,自分の生活や社会と豊かに関わる資質・能力となるので図画工作で学ぶ意義があるのです。さらに,中学校の美術では,形や色などの性質を踏まえて,表現に生かしていく姿をみることができます。形や色などの「など」には触感などの感覚が含まれますから,手触りなど材質感(マチエール)や筆跡(タッチ)などにつながっていきます。造形的な視点をもち,生活を豊かにする