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概要

新・図工のABC

152時間目育てたい力を考えよう使える「知識」でなくては汎用性のある知識は,「事実的な知識」よりも深い「概念的な知識」と呼ばれ,取り出して活用することができる知識です。使って,はじめて身に付くものといえます。机上で習うだけでは,忘れて劣化します。使ったり,分かったことを人に伝えたりすることで,さらに考えが整理され構造化された「知識」として身に付くのです。図画工作・美術において「知識」は,一人一人が感性や想像力を働かせて,対象に働きかけ,様々なことを感じ取りながら考え,自分なりに理解し,表現したり,鑑賞したりする「つくりだす喜び」につながることが大切です。体全体の諸感覚を働かせる造形活動のプロセスを通して,「知識」が一人一人の個別の感じ方や考え方等に応じて構造化・身体化されることや,さらに新たな学びの過程を通して再構築され,「知識」が更新されていくことが重要です。私たちが,はじめて出合ったことでも,対応できるのはなぜでしょうか?D.A.ノーマンは,頭の中の知識と外界にある知識について,人間の頭の中にある『知識』が不正確であっても,正確な行動ができるのはなぜかを考えると,正確な行動を行うには,すべての『知識』を必要としていないからである,といっています。経験したことは「知識」となりますが,すべてを知り尽くしていなくても対応できるのは,新たな知識は自分の外にあるからだというのです。知識は「使って」身に付く  ? 知識及び技能 その②?・ D . Aノーマン著,岡本明他訳『誰のためのデザイン? 認知科学者のデザイン原論』新曜社 2015・ C . ファデル,M . ピアリック,B . トリリング『21 世紀の学習者と教育の4つの次元 知識,スキル,人間性,そしてメタ学習』北大路書房 2016参考文献