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概要

新・図工のABC

18創造的につくる・表す技能  ?知識及び技能 その⑤?工夫することの意味図画工作での技能は,自分の思いを実現しようとする創造的な活動の過程において獲得されるものです。この技能が,他教科等で学習の効果を高めるためにつくったり,かいたりして利用されることもあります。教科の目標(1)の後半には,「材料や用具を使い,表し方などを工夫して,創造的につくったり表したりすることができるようにする」と「技能」について示されています。図画工作では,表現や鑑賞の活動を通して,手や体全体の感覚を働かせ,それぞれの特性を生かしながら材料を用いたり用具を使ったりしています。自分の思いを実現するのが技能です。「ここをこんなふうにしたいな」「もっと高く積み上げたいな」「この色をもっと目立たせたいな」など,子ども一人一人に存在する思いを可能にする技能の獲得です。ですから,塗り絵のように印刷した枠に色を塗ることや,切り取り線に沿ってはさみで切り取るような,先生の都合で一律に獲得させる技能ではありません。技能においては「工夫」という言葉に,大きな意味が込められています。「表し方を工夫する」「並べ方や積み方などを工夫する」「相手の気持ちを考え,伝え方を工夫する」など,「工夫」は創造的な造形活動で繰り広げられる技能です。指導に当たっては,用具など安全面の配慮は必要ですが,子ども自身が用具に「慣れる」ことが大切です。技能だけを取り上げて,訓練するような指導では,つくりだす喜びを感じ取ることはできません。安全に配慮した基礎的な技能が身に付いていれば,子どもの主体的な活動を見守りながら,個別に支援することが重要です。