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概要

新・図工のABC

212時間目育てたい力を考えよう「させる」からの脱却 A表現とB鑑賞の内容の項目は,「活動を通して次の事項を身に付けることができるように指導する」とあります。〔共通事項〕は,「指導を通して」となっています。先生の指導を考えるとき「教える」という言葉が浮かびます。伝達型の「教える」には「させる」が付きまといます。一方,学びには「する」が浮かびます。そこにあるのは「子ども」が主体かどうかです。先生の指導に必要なのは,子どもの学びが成立し,その学びの質を高めることなのです。子どもの発達や実態などの理解を基に,子どもの興味や関心などに働きかけ,自分の内面から湧き出る内発的動機付けを重要視した指導です。資質・能力の育成に欠かせないのが,子どもの主体的で意欲的な態度です。困難があっても,切り開く行動力や意志の力が必要です。図画工作の授業においては,子ども自身が「面白いからやってみよう」「大事だからやろう」という気持ちがなければ,自らの資質・能力は発揮されません。そこには,ワクワクするような期待感と,自分なりの考えや主体的な態度が大事にされ,最後までやり通す意志が認められることが根底にあります。ですから,指導に当たっては,「できるようにする」という文言から,「させる」という表層的な考えに至ってしまってはいけません。「するようにする」という指導から,子どもは「できるようになる4 4」のです。「この材料なら,いろいろ触って子どもたちは発想を広げるだろうな」「座席は自然に話し合えるようにグループにしよう」など,考えることがまだまだありそうです。「するようにする」と「できるようにする」