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概要

新・図工のABC

22先達のことばから「主題」は,教師が学習の中心に設定したいという思いや,または子どもたちの「これをかきたい。」という気持ちの中心である。それはどのように構想してかきたいかという造形性の追究であったり,自分の思いを表出させるための主観的内容であったりする。子どもたちはそれを表現として具体化するために一人一人が「主題(題名)」を考える。「主題(題名)」は自分なりの思いや考えを,感性を働かせながら,題材という与えられた枠(提案)の中で,一つの画面に構成していく子どもの主たる思いや願いである。岩 由紀夫岩﨑由紀夫,阿部宏行『私がつくる図画工作科の授業 ふぞろいな学習指導案』日本文教出版 2011子どもの絵には,「かわいい」,「未熟な」,「でたらめな」,「芸術的な」などさまざまな形容詞がつけられます。しかし,そうした形容詞ではとらえきれないのが子ども絵です。(中略)子どもが絵を描くことは,1人の人間として成長していくための表現活動であり,他の人と交流するためのコミュニケーションであり,それを通して自分とは何かを確かめていく行為です。藤江 充ふじえみつる『子どもの絵の謎を解くー127の実例でわかる!絵に込められたメッセージー』明治図書出版 2013知恵は,子どもたちのもてる力,つまり,知識や技能を,学習を通して,他の知識や技能と結びつけ,新たな知識や技能として働くことを意味しています。(中略)そのためには,知識と知識,技能と技能,知識と技能をつなぐ学習を繰り返し体験することで育てることができると考えられます。知識や技能は,単に繰り返すだけでは,概念化し,融通の利かないものになってしまいますが,状況を変えて繰り返す・新しい課題を設けて働かせることで確かな知のネットワークを実現することができると考えられます。板良敷 敏板良敷敏,阿部宏行 『全学年・全内容を網羅した図画工作の指導と評価?わくわく どきどき楽しい授業!?』東洋館出版社 2005「よさ」とは,子供たち一人一人がもっている思いをはじめ,考え方や判断の仕方,表現の能力などの可能性を含むその子の資質や能力などの内容や傾向などのことです。なお,可能性とは,子供自身の努力や経験,教育や望ましい環境などによって触発されたり,自ら発揮したりしてよさになる内に秘めている資質や能力のことです。西野 範夫文部省『小学校図画工作指導資料 新しい学力観に立つ図画工作の学習指導の創造』日本文教出版 1993