ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

新・図工のABC

34なるほど2私たち大人は,「絵をかこう」と思うとき,どんな絵を想像しますか。子どもの絵の時代を過ぎた大人には,視覚的で写実的な絵が浮かんでいるのではないでしょうか。幼い子どもも同じだと考えるか,それとも,違うのかもしれないと考えたときから,「子ども理解」がスタートします。「子ども理解」からはじめると,子ども自らが思いを実現することのできる資質・能力を育むことに視点が変化します。発達を踏まえた環境や場の設定,一人一人の活動を支援する指導計画,造形活動を支える材料や用具の準備です。そして教材研究を踏まえた,先生の提案によって,授業がスタートします。子どもは思いを広げ,表したいことをイメージして解決へと進みます。さらに友だちとの協働的な学びによって深まりのある学びになります。その過程での子どものよさや可能性を評価することになります。絵をかくこと,ものをつくることが,苦痛であってはなりません。「楽しい」こと「うれしい」ことと感じる教育のあり方が問われているのです。「上手くなりたい,見えるものを見えたようにかきたい」「孫への手紙に,絵を添えたい」「子どもと一緒にかいてみたい」などの思いに応じた指導であり,環境の充実が重要なのです。芸術家と呼ばれる人には,それなりの努力や練習があったことは確かです。どんな絵を思い浮かべていますか?自由自在に思いきりかこう・ 成冨ミヲリ『絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法』彩流社 2015・ 皆本二三江『「お絵かき」の想像力 子どもの心と豊かな世界』春秋社 2017参考文献