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概要

新・図工のABC

394時間目これからの授業を考えよう表裏一体の鑑賞と表現造形活動において「見ること」「表すこと」は一体です。コインでいうと裏表の関係で,切り離しても,やはり裏表があります。表現があるから鑑賞もあるのです。昭和52年改訂の学習指導要領では,それまで「絵画,彫塑,デザイン,工作,鑑賞」の5領域で区分していた内容を,「表現」と「鑑賞」の2領域に改めました。そして,鑑賞に関する取扱いについては「小学校段階では表現活動を中心とし,鑑賞学習は表現学習に付随して行うことを原則としている。」*1と記述されていました。鑑賞は,「子ども自身が決める」という自主的な活動の下に,子ども自身を取り巻く環境すべてが対象になり得ます。日々生活する環境において,情報は無尽蔵です。その中から,子ども自身が,選び,判断するのです。一方的な情報がそのまま受け入れられるのではありません。自身の判断,取捨選択するという自発的で主体的な行為の下に行われることに大きな意味があるのです。指導計画の作成と内容の取扱い1(2)では,B鑑賞の指導はA表現との関連を図ることと,「指導の効果を高めるため必要がある場合には,児童や学校の実態に応じて,独立して行うようにすること」とし,対象を含め,発達や関心を考慮して指導することを示しています。大人の論理で「美術作品」を鑑賞させようとしても,学習として成立することにはなりません。「きみのすごい!」「みてみて!」「この色きれい!」など,子どもが主体的に鑑賞対象と向き合えるように,子どもの目線で対象や事象を考える必要があります。見ること・表すこと  ? 指導計画の作成と内容の取扱い1(2) ?*1  文部省『小学校指導書図画工作編』1978