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概要

新・図工のABC

414時間目これからの授業を考えようともに高め合う共同A表現においては「適宜共同してつくりだす活動」を取り上げることが,これまでと同様に示されています。これを「共同製作」という言葉の響きから,分担した部分をつなぎ合わせて完成する「ビックアート」を想像していませんか。「資質・能力」の観点から考えてみませんか。役割分担をして,作業のように貼り込んでいく製作にどのような学びがあるでしょうか。大きな絵になって,鑑賞者に驚きを与えることはできるかもしれません。しかし,そこでは一体どんな「資質・能力」が育つのでしょう。「共同してつくりだす4 44 4 4」には,プロセスを味わう意味があります。「つくる」のではありません。「つくりだす」のです。つまり,創造的な活動を対話的な学びを通して「共同」で行うことなのです。文部科学省で使用されている用語では「協働」は何らかの目標を共有し,ともに力を合わせて活動することです。単に大きな作品をつくるのではありません。「共同」は,つくりだす過程で自分の考えを話したり,友だちの考えから新たな知識を得たりしながら,自らの能力を育成するような一つのものをみんなで一緒につくることをいいます。「共同」には「協働」の意味も込められているといえます。「こっちは,この材料でもっと大きくしたらいいんじゃない!」「いいね!」「もっと丈夫にしないと壊れるよ」……「いいこと考えた!」友だちと共につくりだす造形的な創造活動を通して,互いの資質・能力を高め合う授業が重要なのです。ともに学ぶ  ? 指導計画の作成と内容の取扱い1(5) ?・ 阿部宏行『図工・美術がもっと好きになる 造形のABC』日本文教出版 2015参考文献