ブックタイトル新・図工のABC
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新・図工のABC
53なるほど4時間目これからの授業を考えよう3子どもは「造形遊び」が大好きです。4月の初めに図工の教科書を開くと,魅力的な造形活動の写真が目に飛び込んできます。子どもは「先生,こんな図工するの?!」と造形遊びのページを開いて尋ねてきます。先生の「見て終わりにしよう…」「次の図工は(参観日も近いから)絵をかくよ!」という返答に,子どもたちががっかりする様子が眼に浮かびます。造形遊びを学びや資質・能力から考える必要があります。板良敷敏は「《造形遊び》は,子どもに思いのままに考えた方法で試したり表したりできる場として,これまでの教育が置き去りにしてきたところを保障しようとしている」*1といいます。宮坂もこう述べています。「目に見えるものや効率で考えると,失敗しないようにすることが重要視されるが,私たちは小さな失敗を繰り返しながら,次には失敗しないようにと学んでいるのです。それが「成長」です。失敗することによって,その失敗を乗り越えるところに教育的な価値があります。」*2図画工作の本質は「意味や価値をつくりだす」ことです。単なる作品づくりではありません。表現や鑑賞を通して,多くのことを学んでいるのです。そのためにも,子ども一人一人が,自分の経験,考え方や判断の仕方などのよさを生かしながら,進んで対象に関わり,自ら課題や意図を見付け,解決できるような子ども中心の授業を展開することが大切です。造形遊びには,そのすべてがあるといえます。造形遊びの再評価と再考子どもは「造形遊び」が大好き,*1 板良敷敏他『造形遊びの魅力』日本文教出版 1993*2 宮坂元裕『「図画工作」という考え方』黎明書房 2016・ 文部省『新しい学力観に立つ図画工作の学習指導の創造』日本文教出版 1993参考文献