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概要

新・図工のABC

6自分の指導は「これでいいのか?」形式に流されない授業改善と指導のポイント授業改善の視点としての主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)*1のポイントは,「学習者の学習に対する主体性・能動性」にあります。これは,方式化された特定の授業方法や技術のことを指すものではありません。学び全体を改善し,子どもの学びへの積極的関与と深い理解を促すような指導や学習環境の設定を求めています。ですから,「活動あって学びなし」とならないように,主体的で対話的な学習から深い学びへ向かう道筋をデザインすることが大切です。図画工作においては,ひたむきに製作する時間も必要でしょうし,話し合いや交流ができるようにするなどの学習環境を整えることも重要です。話すこと,聞くことで学びは深まりますが,そこに必要感や必然性がなければ,子ども自らが資質・能力を育むことにはなりません。ですから,図画工作において,話し合い活動を形式的に取り入れて,つくりだす活動が失われるようなことがあっては本末転倒です。図画工作には形や色などの教科特有の「言語」があります。材料と向かい合って自己内対話を繰り返す時間が大切です。その時間は,「いいこと考えた!」「んん? どうしよう?」「そうだ,ここに○○を付けたら……」という「心のつぶやき」である発想や構想を生み出しているのです。図画工作の授業での答えは一つではありません。30 人の子どもがいたら30 人の答えがあります。先生の仕事は,子ども理解をもとにした「授業」をデザインすることにあります。子どもを自由に操るような指導では決してありません。子ども一人一人のよさや可能性に気付かせる「気付かせ屋」が先生の仕事です。*1  文部科学省 『幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)』 2016