ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
8学び合い高め合う自分のよさ友だちのよさを感じ合える図工『平成24年度学習指導要領実施状況調査』の児童と先生の質問紙の項目で「図工のとき,自分や友だちの表し方や感じ方のよさに気付くことがあるか」を問うたところ,肯定的に回答した子どもは80%以上でした。先生には「児童がお互いの表し方や感じ方の違いやよさに気付くような授業を行っているか」を質問したところ,低中高学年のどの学年も80%から90%の先生方が,肯定的な回答を寄せました。図画工作の授業は子どもにとって自己肯定感を高め,友だちのよさを感じることができる学習であると,全国の先生が感じています。共同と協同6年生の子どもたちに「友だちと一緒につくる活動は好きか」と質問したところ,90%近くの子どもが肯定的な回答をしました。一方,指導している先生に「共同してつくり出す活動を取り入れた授業をしているか」を問うと,25%程度しか肯定的な回答を寄せていません。子どもたちは,友だちと一緒につくる図画工作が大好きなのに,先生はしていないです。どう考えますか。先生の回答した「共同」と子どもの「友だちと一緒」は,同じ目線でしょうか。「共同」の意味をもう一度考える必要がありそうです。「共同」「協同」「協働」いろいろあります。子どもの目線で授業を考えることです。子どもは一人で活動しているのではありません。子どもたちは「学び合い」を肯定的にとらえています。そして,友だちと学び合う過程で,自分を高めることを知っているのです。分担して部分をつくり,それらを集めて大きな作品にするだけの「共同(製作)」では,子どもの学びを保障することになりません。子どもは協同(協働)で学ぶことで,理解が深化し,参加意識や一体感が育ち,相手の反応によって思考のモニタリングもできるのです。友だちとともに育つところが教室なのです。*)秋田喜代美『学びの心理学-授業をデザインする』左右社2012*)国立教育政策所HP11