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概要

造形のABC

11「つくりだす」と「つくる」4 4 4「つくる4 4 4 4 4喜び」と「つくりだす喜び」図画工作の教科目標の「つくりだす喜び」には,図画工作の全てが凝縮されているといっても過言ではありません。「つくりだす喜び」のある授業には,子どもの資質・能力が十分に発揮されているからです。「つくる喜び」ではありません。「つくりだす4 4喜び」の「だす」に大きな意味があります。これは説明書を読んで,同じ通りにつくるような「模型をつくる」こととは違います。「だす4 4」には,「自らの力で創造する」という,創造性や創造力といった大きなテーマが背景にあります。主体的な活動の製作・制作図画工作では「製作」を使います。幼稚園・保育所や中学校技術も「製作」です。これは教科の特徴として,絵に表すだけでなく「工作」のような用具を用いて「つくる」活動があるからでしょう。中学校の美術や芸術家は「制作」です。ですから,「製作・制作」は,自分の意志や独創性が認められる造形活動です。しかし,手続きに従って先生のいう通り行われる造形活動は,子どもが主体的に「製作・制作」するではなく,与えられた課題をこなす「作業」です。子どもは作業ロボットではありません。「○○式」のような先生主導の授業のグランドデザインに「子どもがいない」ことが問題なのです。子どもをもっと信じて,子どもの世界や文化を尊重した指導観にすることです。まず,子ども観を変えることです。「子どもは無知だから教える」という子ども観を「子どもから何が学べるか」「子どもの学ぶことの意味を考え授業をデザインする」など,先生のスタンスを変えることです。子ども観が変わると,学習観が変わります。学習観が変わると,評価観も変わります。評価観が変わると,指導観や授業観が変わります。子どもから出発する図画工作や美術は授業の「変革・改善」のいちばん近いところにあります。14