ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
15非日常を楽しむ造形遊び非日常が味わえる造形遊び造形遊びで大切なことは,子どもにとって「驚き」があることです。「え!こんなことしていいの?」「もっと大きくしていいの?」など,日常で味わうことができないワクワクする活動が根底にあります。実際には,幼児のときの「どろんこ遊び」や「水遊び」など全身で関わった体験の記憶が,活動を呼び起こすからです。昭和52年の学習指導要領の1・2年生に位置4付いた「造形的なあそび」は,幼稚園教育との接続や遊びの教育的な意義から誕生した造形活動です。そのときから,「材料をもとにした」活動であり,子どもの主体的な活動を優先することは変わっていません。ですから,特別活動の行事のためになど,何かの目的のために「手段」として活動するのではありません。かくこと・つくることそのものが図工の目的であり,そのまま体現しているのが「造形遊び」なのです。「材料体験」としての造形活動表現(2)「絵や立体に表す」のための事前の「材料体験」と表現(1)「造形遊び」は違います。学習指導要領に示す表現(1)と(2)の違いの概*)要に示されているように,造形遊びは,材料とのふれあい(行為)が先にあって,その関わりから,つくりたいイメージが浮かんでくるものです。それに対して,絵や立体に表す活動は,つくりたいイメージが予めあり,その上で活動するのです。ですから先生が,「造形遊び」で,材料にふれ合う前から「何にしてみたい」と子どもに聞いたなら,子どもの経験の範囲内にあるTVキャラクターなどを思い浮かべ「好きなもの」をつくることになります。例えば大量の新聞紙が積んであれば,いつもの古紙回収イメージです。でも「並べてみよう」と提案し,みるみるうちに広がる様子を感じると,新聞に対する固定概念が変わります。そこに非日常な世界が広がるのです。18*)文部科学省『小学校学習指導要領解説図画工作編』日本文教出版2008