ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
19技術と技能伝えられる「技術」身に付ける「技能」「技術」は伝えられるもの,「技能」は個々に身に付き,高め磨くことのできるものです。「技能」は資質や能力に属します。◆)「技術」(使い方)は,「ここは,筆を洗ってから絵の具をつけるところだよ」とパレットの使い方を教えることで,伝えることができます。「こんな方法もあるよ」という表し方の提案もできます。これは「技術(技法)」です。「表し方」まで教えるとき,先生の論理で教えることが多くなります。本来,「表し方」は子どもの「技能」に属するところであり,自らの意志で表すことがその能力を高めるものです。伝えるのが難しいのが「技能」(表し方)です。絵の具と筆での表し方は「なんかこんなふうにかくと気持ちいい」「色を混ぜるともっといいかも」など自分の力でつかむものです。ですから,表し方は自らの「技能」によって身に付けるのです。表し方の主体は自分常に「表し方」を決定する主体が,どこにあるかが重要なのです。この「技術」と「技能」が,うやむやになっています。はさみの使い方は,教えられますが,手加減を教えることはできません。「表し方」の主体は子どもです。ですから,先生には子どもの「技能」を育む支援や幅広い指導方法の獲得が必要です。安全に対する配慮をもとに,まずは体験させることが大切です。体で覚えた技能は,机上の説明や理論だけでは会得できない将来にわたる価値ある力になります。◆)技術と技能「技術,技法は,個人を離れて社会的に伝承,伝播されていく文化財である。技能,技量は個人が身につけた能力で,その人一代限りのものである。」文部省『小学校図画工作指導資料材料・用具の扱い方とその指導』ぎょうせい198622*)木田元著・マイケル・エメリック訳『対訳技術の正体』デコ2013