ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
20創造的な技能と技能「工夫して表す」ということ人類の遺産を伝えるのが「技術」,一人一人が身に付けるのが「技能」です。ですから,技能は一代限りの能力です。私たちは,「技術」をつないで文化・文明を発展させてきました。「技術」は,連綿と続く人類の財産です。そして,「技術」を支えてきたのは,個々の「技能」なのです。そこに「創造」が常に働きます。その「創造」を支えているのが「想像」です。図画工作でめざす能力としての「技能」は「創造的な技能」です。例えば枠の中を指示に従って塗るような技能ではありません。自分の思いを主体的に表す「創造的な技能」です。ですから,「創造的な技能」は,自分なりに工夫して表している姿に見付けることができます。「身に付く」のか「身に付ける」のか「身に付く」と「身に付ける」も「なる」と「する」と同じように,互いの関係が馴染むように「身に付くようになる」ことです。はじめは意識して「仲良くする」けど,遊んでいるうちに「仲良くなる」のが,私たちが求める「指導」の姿です。意識なしに,漠然と過ごすだけでは,身に付けることはできません。また,「意識」を強要しても,自分ごととしてとらえなければ,馴染んで自分の身に付くことにはなりません。「創造的な技能」は活動のプロセスで評価する*)小学校の「創造的な技能」の評価規準の語尾は「表し方を工夫している」となっています。これは子ども一人一人の表し方の違いを的確にとらえる評価の目を求めています。例えば,「紙の切り方,組み合せ方を工夫しているか」となれば,一人一人の子どもが,4 4 4 4紙を自分なりの切り方で,おもしろい形をつくったり,4 4 4 4形や色の組合せをいろいろ試したりしながら工夫して4 4 4いるかを見取ることになります。「創造的な技能」は,決して作品の出来栄えではないのです。*)国立教育政策研究所『評価規準の作成,評価方法等の工夫改善のための参考資料小学校図画工作』201123