ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
21子どもと[共通事項]子どもの姿を資質・能力でとらえること平成20年の学習指導要領に新設された[共通事項]の形や色などをとらえイメージをもつことは,子どもの世界・文化の中で生きて働いています。子どもは,自分の回りの世界から形や色などを情報として感じ取り,共通の言葉([共通事項])に変換して蓄積(身体化)しているのです。その蓄積された「経験」は,新たな解決するための資質となります。この更新された資質は,次の問題に立ち向かう学力(意欲なども含む能力)になるのです。子どもは,友だちとの学び合いも含めて,自分を取り巻く世界を見つめています。もし,先生が[共通事項]を「指導」の一部としてとらえたら,子どもの思いとズレが生じることになります。「働き」を教える?育てる?図画工作の造形活動で働かせるのは,「感性・想像力・体全体・感覚」などいろいろあります。これらの働きは「育てる」ものであって,教えられものではありません。[共通事項]を教えたという先生は,形や色の要素や概念,または造形原理とよばれる「しくみ」を教えたのであって,「感覚」を教えたのではありません。手加減や感触などは自ら獲得するものです。図画工作では,先生の「教え」はなくても「教育」は成立するという前提となっている授業観だからです。4 4 4「自分の感覚や活動を通して」の意味「形や色」のとらえが「教えられる形や色」となって指導が固定化すると知識優先や手続きの多い授業になってしまいます。これは,はじめに子どもが存在するのではなく,先生がこうしたいという「先生のイメージ」が先行しているようにも感じられます。[共通事4 4 49 9 9項]の「自分の感覚や活動を通して」の「自分の」が明記されているのは,子どもの感覚や活動を信じることを意味しています。24*)国立教育政策所HP