ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
23イメージをもつということ「なる」のか「する」のか木の実は「なる」,勉強は「する」,仲良くは「なる」のか「する」のか。イメージの場合は「イメージになる」「イメージする」「イメージがふくらむ」「イメージをもつ」などいろいろ使います。小学校学習指導要領の図画工作の[共通事項]のイは「~自分のイメージをもつ」となっています。「もつ」には主体的な意味が込められています。自分の意志で判断・決定し行動へと踏み出すという強い意味があります。それは,「自分の」意志であって,先生や周りの友だちのものではありません。鑑賞し,よさや美しさを感じ取り,自分の製作に生かすという,鑑賞と表現の一体的な活動です。思考と想像三木清は「思索と瞑想」のちがいを「思索は下から昇ってゆくものであるとすれば,瞑想は上から降りてくるものである」「ひとは思索のただなかにおいてさえ瞑想に陥ることがある」といいます。*1)集中して考えを巡らせているときでさえ,ふと別なことを考えているときがあります。「瞑想はいわば精神の休日である」ともいっています。自由に想像の翼を広げることは,精神の休日なのです。大人が仕事に追われて考え(思考)過ぎているとき,子どもは精神の休日(想像)を楽しんでいるのです。思い描くイメージ林健造は「イメージ」をもつまでの過程を「蚊の話」に置き換えて書いています。*2)自分の腕に止まめすった蚊(雌)が血を吸い,それを打つ話です。「手が4 4むずむずと感じたこれを感覚という。何だ蚊かと解っ4 4 4たときを知覚という。痩せた雌が可哀想というのを情4緒という。ブドー色に腹がふくれ上がったことは認識ぴしゃりで天国めがけて幸せと飛びたつ姿を描くのを4 4 4 4つまりイメージという。」脱帽!4 4。26*1)三木清『人生論ノート』PHP研究所2009*2)林健造『林健造画文集ーアベリアの花』世界文化社1999