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概要

造形のABC

25子どもの喜びは,先生の授業づくりの喜び「裏カリキュラム」を超えて多くの地域には,「裏カリキュラム」が存在しています。学校文化としての潜在カリキュラムではありません。年度当初に決める「年間指導計画」のほかに,○○会社の△△ポスターの応募,毎年続く地域の消防車の絵,競い合いの児童画コンクールなど,学習指導要領の改訂とは異なる流れの「裏カリキュラム」です。様々な関係の中で築かれた世界ですから,一概にいうことはできませんが,本来の図画工作や美術のねらいからかけ離れたものが多いのが現実です。学校内でも,特別活動(学校行事など)の時間確保のために,お面の色塗りや子ども祭りの景品づくりなどを行うこともそうです。従来踏襲とコンクール至上主義を超えてまた,従来踏襲には,「○年生の担任になったらこの題材をする」「過去の先輩の事例が残っているので見本になる」「忙しくて考える時間もないし,特に周りから反対もないから,これまで通りで…」などが,変えられない要因としてあげられます。また,コンクールの作品をかく理由としては,「参加賞ももらえるし,入選すると子どもも親も喜ぶから」「どんな作品がいいか,参考例を提示してとりかかるので指導しやすいから」「従来から応募するのがきまりだから」「応募数が少ないといって頼まれたから」など,様々な「裏カリ」が続く温床があります。資質・能力を一貫して育てるさて,何を考え,行動するかが,これからの先生に求められています。平成20年の学習指導要領の改訂では,小・中学校で育てる資質・能力を整理して一貫性をもたせました。「裏カリ」を捨て,子どもの喜びと資質・能力が育まれる図画工作や美術の題材や授業づくりが,先生にとっての喜びになるかどうかです。28