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概要

造形のABC

26何から変える?授業改善の視点私は,図画工作や美術の授業改善をめざすとき,1題材設定2授業設定3環境設定の三つを視点としています。「題材設定」は教材研究の結実体「教科書を4教える」のではなく「教科書で4教える」といいます。図画工作や美術も同じです。教科書に掲載されている題材は例示です。学習指導要領の目標や内容をもとに学校の実態に応じて授業をつくり出すことができます。地域の材料を用いた題材を考え出したり,伝統的な文化を新たに題材化したり,先生の創造性に委ねられているのです。教材研究の結実した姿が「題材」なのです。「授業設定」は育てたい資質・能力の凝縮体提案の仕方の工夫などが先生としての見せどころのように思いますが,授業を通して,どんな資質・能力を育てようとするのかが鍵です。目標を設定し,ステージアップを図る工夫を考えることです。材料の投入や用具の使い方などは,「子どもがさらなる目標」をもつための工夫です。「環境設定」は子どもを包む授業の集合体子どもを迎え入れる教室や図工室から得られる形や色,文字情報などに心地よさが感じられるかです。大切な情報の一つが「雰囲気」です。普段学校に通う子どもたちにとって,挨拶や話し方,匂いや温度,風や触感にいたる子どもを包むもの全てが環境です。人と人をつなぐ環境もあります。さらに具体的には,材料や用具なども授業に欠かすことのできない環境です。子どもにとって「日常の授業の集積が環境になる」と考えてください。どこから改善を図るかは,先生自身が問題意識としてとらえているところからはじめましょう。必ず,三つが一体となって「よい授業」に向かいます。29