ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
31題材に寄せる先生の思い題材に込める先生の思い題材のもつ意味を考えて,子どもに提案することが大切です。ですから,題材には,予め埋め込まれた文化的価値があり,子どもは,それを自らの資質・能力をもとに見出して,自らの力とするのです。先生は,資質・能力が育つように形や色などの造形的な価値を題材に埋め込むことです。子どもは活動に夢中になって,価値を見出しながら新たな資質・能力を獲得していきます。その経験が,次へと転移(応用)して,新たな課題の際に,身に付いた資質・能力が新たな力として立ち現れるのです。題材は先生が考える主題は子どもが考える題材には「場の設定」「時間の配分」「人との関わり」なども含まれます。そのためにも,教材研究の徹底は欠かせません。「反応予測」「つまずきへの対処」など,見えなかった指導の手立てが顕在化してくるのです。この仕事は,料理人が厳選した材料を素材のよさを失わずに料理することに通じます。料理人は「思い」を料理に込めるのです。食する人は,味覚や視覚など諸感覚を働かせて味わい,見えないものを感じ取るのです。母親の料理とは異なるのです。先生は授業のプロです。図画工作では,題材に思いを込め,指導に表すのが先生の仕事です。子どもは,他力を感じながら自力の活動を中心とします。その過程で資質・能力を発揮し,自らの力とするのです。子どもの思いが絵や立体,工作に表われることになります。題材に埋め込まれた資質・能力子どもは「題材に埋め込まれた資質・能力」を,友だちと学び合いながら,自分の力で発見し,技能を発揮して,新たな資質・能力を身に付けます。子どもの成就感は,生涯にわたって美術を愛好する心を養うことになります。34