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概要

造形のABC

33題名と主題「題名」は子どもそれぞれが決める主題はそれぞれの子どものテーマです。主題には,子どものそれぞれの思いが込められます。ですから,主題が伝わる「題名」がふさわしいのです。その主題をカードに書くと,見る人にも,理解が深まります。絵のことや感じたことを書いたのが「題名」です。「運動会」や「イモほり」などという「題名」はおかしいことになります。運動会やイモほりを体験したときの思いが主題となるのです。「大きなイモがどんどん出てきた」「イモを蒸かして,食べたときの美味しかったこと」「友だちはたくさんとれたのに,ぼくは少しだったこと」など,その「思い」は主観的です。それでいいのです。それを絵に表すときは,まちまちになるはずです。ですから,学級の子どもの絵が同じような構図になること自体がおかしいのです。イモをほったときの感情から生まれるのが「主題」なのです。心が動いて絵になるかきたい気持ちがあって,はじめて絵になるのです。ですから,かきたい気持ちになる指導を心がけることが大切です。一歩譲ってかきたい気持ちにさせる指導です。ヒントは「遊び」と「イメージ」です。優劣のないのは「遊び」です。遊びは,時間を忘れて没頭することができます。没頭している間には,いろいろな考えが浮かびます。自由に想像できるのはイメージの力です。瞬時に王様にもなれますし,動物になることもできます。空想,妄想,着想,いろいろありますが,やっぱり想像は楽しいし,ワクワクします。幼児期からの「観察画」など,それも視覚的な大人の絵に近づけようとする絵の指導は,子どもの発達や思いを無視し,絵をかくことは「大人のいう通りにしなければならないもの」という観念を植え付けることになります。誰のための「絵」でしょうか。子どもの絵は,心豊かに成長するために欠かすことのできない「自分自身」なのです。36