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概要

造形のABC

35授業を工夫するということ題材を考える~疑問をもつ経験を想起させて絵に表すような場合でも,「運動会」という題材名はよくありません。「(運動会の)あの瞬間!」など,個人の思いがふくらむ題材名にすることです。しかし,それ以前に「運動会」の絵をなぜかくのか,題材としてふさわしいかの判断は,先生に委ねられています。題材の工夫~事前にできることこの題材で何を育てるのかを明確にします。発想や構想を育てるのであれば,発想が広がるように,提案の言葉だけなく,材料の形や色が多様なものを用意したり,指導計画上でステージアップするような「仕掛け」を用意したりすることができます。子どもにとっての適度な抵抗感をもたせることで,挑戦意欲をかき立てることができます。指導の工夫~製作の過程で子どもの製作活動がはじまったら,安全面で活動を止めることはあっても,原則は子どもの自主性に任せることになります。言葉がけは,個々の子どもに向けられるものです。製作中はできるだけ「子どもの時間」を保障しましょう。先生は子どもの表情や様子を見守りながら,称賛や励ましなど子どもの目線に応じた指導を心がけます。図画工作の先生は何屋さん?子どもにとって,図画工作の時間に「こんな人がい*)てくれたら」と思うときのことを福岡知子は誌上対談の中で,「相談屋さん」「情報屋さん」「環境屋さん」と端的に役割を指摘しています。これらは普段,先生方が授業で出店している「お店」と同じです。子どもはお客さんです。さあ,今日はどんなお店が活躍し繁盛するのでしょうか。38*)福岡知子『教育美術No867』教育美術振興会2014