ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
37変えられないのか変わらないのか定番化する題材と指導*1)40年ほど前に大阪児童美術研究会が発刊した本には「ぶっつけ題材」と「きっかけ題材」という記述があります。ぶっつけ題材は,「動物の絵をかこう」「遠足の絵をかく」など,子どもにそのままぶっつけて,終わってしまう題材です。きっかけ題材は,「ふしぎな生き物」「あるところに○○が…」など表現のきっかけを与えるものです。どうでしょう。40年のときを経て,先生の地域の絵は変わりましたか?「波打ち際の美術教育」と「内陸部の美術教育」*2)花篤實が論述する「波打ち際」は,西欧などから移入される文化を指し,現在でいうと中央(文科省など)からの施策などといえます。「内陸部」は,移入されたものが地域で融合し独自の姿を形成し,コンクールなどの作品主義によって一層,磨かれるというのです。ですから,閉鎖的でタテ構造を残した地域においては,最初の目的や理念から離れて自律した姿で確立されるというのです。現在は,「資質・能力」を育成するというのが「波」です。その「波」を学びつつ,地域の美術教育との差異などを見直し改善しようとすることです。まず,新しい「波」を学ぶことです。地域の美術教育が活性化し,拡充することで,全国の図画工作や美術の充実が図られるのです。子どもの発想が広がり考える題材さて,新しい学力観に立った新たな題材の開発をめざしませんか。先の「きっかけ題材」を大切にしませんか。「ぶっつけ題材」には,明確さはあっても,指導がおざなりになるか,いき過ぎた指導になりやすいのです。また,子どもが題材を「おもしろい」と感じるかです。先生は「教室丸」の船長です。何を育て,どこにつなげようとするか,見通しをもって舵を取らなければなりません。40*1)大阪児童美術研究会『実践に基づく図画工作科指導の理論と実際』明治図書1978*2)花篤實監修『美術教育の課題と展望』建帛社2000