ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
38これでいいの?何か変?「物語の絵」と「お話の絵」「かもとりごんべえ」「かさこじぞう」など,物語から場面を選んでかく「物語の絵」,先生が自作した絵になる要素が多く含んだ「お話の絵」があります。ある学校で廊下に,「かも」に吊り上げられた「かもとりごんべえ」の絵が展示されています。でも,その学級の子どもたちは,「かもとりごんべえ」の物語を知りませんでした。先生の指定通りにたくさんの「かも」をかき,できあがった作品が廊下に並んでいるのです。「何かが変?」と感じるかどうかです。物語の絵やお話の絵を通して,子どもの何を育てようとするのかです。発想・構想の能力でしょうか。創造的な技能でしょうか。子どもの何が育つ?物語のよさを感じながら「心の動いた場面をかく」授業があります。一方で予め先生が決めた場面をかくこともあります。その違いは順序よく指導できるかどうかを先生が判断します。「かもとりごんべえ」も「かさこじぞう」も同じような構図の絵が目に浮かびます。そこには物語に浸り,物語に心動かすゆとりなどありません。他方,先生の自作のお話には,ショートムービーのような絵になる場面が予め仕組まれています。構図はおおよそ同じようになることもありますが,子どもの発想を生かすことができます。もう少し進めて「ネコ」などの主な登場人物だけを先生が決め,子どもが自分で物語をつくるとしたらもっと発想が広がるでしょう。でも,一つの場面を決めるのは難しいので児童画展には出品できません。けれど,そもそも,子どもは応募を求めているでしょうか。児童画展に出品はできませんが,ストーリーもかくことのできる「絵本」にするのはどうでしょうか。子どもの思いを十分満足させることになるでしょう。子どもの思いに合った表現形態を幅広く考えることが求められています。41