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概要

造形のABC

5造先形生の支Q&A援の言葉肯定的に子どものよさを受け入れるのが支援:子どもへの声かけが「できたね」「いいね」の平板な声かけになってしまいます。どうしたらよいでしょうか。:「うまいね」というときには,それも,視覚的な要素や絵の出来栄えに気がいっていることが多く,先生に「うまい・へた」の固定的な絵の基準があると生まれやすくなります。「丁寧に」「こつこつ」「努力」などの態度面での基準も一因としてあります。子どもの持ち味はそれぞれです。4 4 4 4 4こ林健造は,絵の評価規準を「ここがよし」という言葉を使って説明しています。「個性的であるこころがよろこしょう(創造的)」「心がこもっている(誠実)」「画面が豊かである(内容)」「喜びがある(感動)」「焦点がはっきりしている(集中)」を示しています。*)おおよその規準をもっていると,「ほめどころ」「努力するところ」など,指導に役立たせることができます。造形のQ&A子どもがうれしいと感じる言葉・具体を示しながら「ここが,すてきね」「この花が元気よくかけているね」「楽しい気持ちが色に表れているね」「ここ,うまくかけているね」(具体的で自分のよさをほめられた)・「びっくりこんなふうに変わったんだいいね」(自分の成長の伸びを見守ってくれていたんだ)・「これからどうなるのかな。楽しみだなあ」(期待しているんだ)などがあります。子どもの活動の姿を評価することで指導の手立てが生まれます。どれも,「好きだなあここ,○○さんらしくて」というように肯定的な言葉が並んでいます。自己肯定感につながる言葉です。また,「こう来たか,驚いたなあ」など先生の素直な驚きが言葉となる場合もあります。これはA規準に該当し,想定外のよさを先生自身が感じ取ったときの姿です。「すてき」「すごい」「いいね」「とっても,○○さんらしいね」「自分の思った通りにすすめなさい」などが,教室中にあふれるとしたら,「なんてすてきなんでしょう」いってはいけない言葉「へただね」「だめだっていったでしょ」「最悪」「だからあんたって」「さっさとかきなさい」「(怒ったような声と表情で,比較しながら)△△さんのここ見なさいよ」が先生から発せられるとしたら教室は,心の居場所さえなくなってしまいます。また,「次はここをこうしてかきなさい」など大人の価値観を押し付けることも,子どもの心にストレスだけを残すことになります。子どもへの声かけについてどこまでアドバイスをしたらいいのかが,いつも迷うところです。基本は,子ども自身が,かいている・つくっている「対象」と対話を楽しむことです。その次は,友だち同士の語り合い,そして,先生からの「教え」の順番でいいのです。友だち同士が絵に関する会話が弾んでいるとしたら,声かけより,先生の表情や頷きが支援です。授業に関係ない無用なおしゃべりが多いときは,製作ではなく「作業」になっています。授業や題材がおもしろくないのです。*)林健造『幼児の絵と心-子どもからあなたへのメッセージ』教育出版197647