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概要

造形のABC

6予想していたこととはちがうときは?ズレはあって当然のことそこからはじまる授業改善:授業がはじまって,時間が経過すると,先生が予め思い描いていた子どもの姿とズレがあるとき,どうしたらよいのでしょうか。:これは誰もが経験することです。ズレはあって当然です。授業の中で,そのズレを解決する営みが授業のおもしろさです。さて,その要因を探るとき,「子どもが悪い」からはじまると,何も改善できません。まずは「自分の指導を疑う」ことです。「誰のための指導か」「教師自身の満足感か,子どもの満足感か」「この授業で,子どものどんな資質や能力を育てようとしたのか」など視点を決めて探ることです。多くの場合,子どもの満足度と教師の目標達成度にはズレがあります。完全な指導などありません。子どもがつくり出す喜びを得られることが,資質・能力を十分に発揮しているのですから,まずは,かくことが喜びにつながる授業,つくり出す喜びがある授業をめざすことです。また,「はじめよう」と授業をスタートしたら,子どもは自分で考えたことを行動に移そうとします。そこからは「子どもの時間」ですから,安全面での配慮以外は,基本的に子どもに委ねることになります。ですから「教材研究」の精度を上げることが,ズレを事前に埋める方策です。「○○さんには,もう少し時間が必要になりそう」「△△さんは,きっと,この用具をほしがるな」「予備をもう少し多めに用意しなくては…」など,具体的な子どもの姿を浮かべながら事前の準備ができるかです。そのほか,発問などについても,指示が多すぎて子どもを迷わせているのではないか,頷きや笑顔なども含めて,先生の声かけや支援などが不足していないかなど,自分自身の指導法を分析的に見つめる眼と改善する意識をもつことが何より必要です。7残酷な場面をかく子どもには?:残酷な場面をかく子どもへの指導はどのようにするといいのでしょうか。:殺戮を連想させるような残酷な場面をかく子どもがいます。不安と向き合うとき,見えないものを表現することで,心理的な安定が図られるという心理学の専門家もいます。まずは,題材が適切であるか考えてみましょう。登場人物やストーリーも,自分で創作できるお話の絵の題材を絵本のような創作物にするのであれば,戦いの場面として,必然的な登場と考えられます。「不安」がおばけや妖怪などを生み出し,かくことで不安が解消されることもありますので,まずは,子どもの気持ちを聞いてみましょう。その上で解決策を見つけることです。48