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概要

造形のABC

8造材形料のや用Q&A具の取扱いは?:学習指導要領に載っている学年より前に用具を使用したり,指導したりしてもいいのでしょうか。小学校のうちに身に付けるというとらえ方でいいのでしょうか。:学習指導要領には,低中高学年で,扱う材料や用具が「第3内容の取扱い」にあります。扱い方を身に付ける用具は,学年によってちがいます。でも,学習指導要領に示されている内容はあくまでも最低基準です。従前の「これ以上進んでは,次の学年の指導に困る」という「歯止め規定」は撤廃されています。実態に応じて進むことは,それぞれの学校の裁量の範囲内とされています。しかし,それは,一人一人への指導が行き届くことが前提であり,全ての子どもを底上げして高度な技能を習得させることではありません。また,取扱いに規定された学年が高学年に位置しているからといって「5年生からしか,針金やペンチは使えない」ということではありません。前の学年から初歩的な形で取り上げることができます。さらに,その後の学年でも繰り返し取り上げたりすることで一層技能は高まることになります。造形のQ&A9友だちの真似をする子ども:低学年の場合など,先生が「すごいね」「いいね」などと声をかけると,それがいいのかと思い,他の子どもたちが真似をしてしまうことがあります。「真似をする」ということはどういうことなのでしょうか。:私たちが能力を身に付けるときには「まねる」「まねぶ」「まなぶ」のように,一連の流れがあります。「書写」など手本を真似て書くことも上達する方法の一つです。これをマスターしたら,次の段階へというように,次の目標が示されますが,創造的な活動に結び付くことは多くありません。造形活動における「主体的な真似(積極的な模倣)」は鑑賞の能力の範囲です。どうにもアイデアが浮かばず誰かのを写す「消極的な模倣」とはちがいます。それは,無自覚に行われる模倣です。例えば,型紙の線に沿って切るなども,消極的な模倣を身に付けることになります。消極的な模倣に陥りがちな理由には,依頼心など誰かに指示を与えてもらわないとできない子ども,技能が伴わないので写すことで安心する子どもなど,これまでの育ちとも関係しています。個別に聞くなどして手がかりを探ることです。しかしまずは,自分の指導を疑ってください。題材を子どもにぶつけて「今日は,○○をかきます」となっていませんか。子どもの思いを広げ温める工夫をしていますか。先生から出された課題に対する自信のなさから,真似を余儀なくされた場合,先生の無理な要求から生まれた結果といえます。子どもに原因があるのではなく,真似をさせる要因が先生の指導にあるのではないかと考えるところから授業が変わります。49