ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
13授業を参観するとき~授業の何を見る?1子ども理解を主として見る子どもの活動・題材のおもしろさ・子どもの反応・教室環境・授業構成・授業者の発問・授業者の子どもの見取り方・授業者の切り返し・授業者の動き・授業者以外の先生の動き・授業者のこだわり・子どもの育ちなど,見方にはいろいろあります。私は,いまでしたら,子どもの表情を見ています。活動がはじまると「きっと,このあと,子どものすごいことが起こるぞ」(兆候を予知する)とわくわくする気持ちで,子どものよさを感じ取ろうとします。見えるものを見逃さないようにしています。ですから,子どもの目線の高さや子どもの視線の先にあるもの,友だちとの語り合いなどに,「ごいっしょ」させていただいています。そんなとき,視線の先にある先生の表情や参観者の様子も一緒に見ることになります。腕組みや壁にもたれかかって参観している先生を見ると,悲しくなります。「子どもの世界」を味わうと,いろいろな世界を再発見できます。大人になった先生にも,きっとあった「子どもの世界」を目の前の子どもたちが教えてくれます。2授業づくりのかくし味を感じ取る「授業のかくし味をさぐる」と,図画工作や美術だけではない世界が広がります。先生の使う言葉,教室の掲示物,授業前の先生と子どもとのやり取り,授業後の子どもたちの様子などです。授業後に,先生のところに駆け寄って,おもしろかったことを伝える子どもの姿には「幸せ」を感じることができます。幸せは力になるのです。3先生の指導を学ぶ先生の動きを意図ある行動ととらえて,先生の動きに着目する見方があります。例えば,先生の指導の「フェードイン・フェードアウト」を見取る方法もあります。題材を提示したら,そっとフェードアウトし,個人の対応へ向かう,終末の時間帯でフェードインして,感じたことを伝える,指示を出すなど,先生の動きに着目してみると,行動に意図があることが発見できます。「子どもをよく見ている先生」から「子どもがよく見えている先生」の柔らかな指導です。4子どもの成長を楽しむ子どもの成長を感じる授業があります。授業前と授業後の成長を見取る参観も見方の一つです。この授業を通して,「この子にどんな力や心が身に付いたのだろう」と考えると,「学ぶ」ことの意味を知ることができます。5参観は「見せていただく気持ち」を忘れずに授業としての成立や成否など,批判的に見て,考えることも大切ですが,子どもたちと先生との学びの営みを参観させていただくことを忘れてはいけません。感謝の気持ちと具体的な視点を決めて参観する構えが大切です。授業後,参観して感じたことを授業者に話したり,感謝の言葉を添えたりすることは礼儀です。52