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概要

造形のABC

14造何形がかいてあるのかわからない?のQ&Aじゃましないことも支援:子どもの絵が,何をかいているのかわからないとき,子どもに聞いてもよいのでしょうか。やたら話しかけてもよいものでしょうか。*):林健造は,おかあさんへの話として,聞いてもいいが,問題は聞く人の「顔つき」(表情)だといいます。ニコニコしながら「何かいたの?」と聞くのはよいが,とがめるように「何かいたの?」と聞くのはいけないというのです。表情に感情が出るので,「顔つきは,心つき」だというのです。なんとも名答です。先生と子どもとの関係性の中に答えがあります。「子どもは話したくなる」「先生も聞きたくなる」という双方の関係の中に「笑顔」があるということです。造形のQ&Aこの関係が前提としてあるのならば,話しかけることもよいでしょう。でも,何よりも大切なのは,子どもが対象や材料に深く関わっているときには,そっと見守ることです。じゃましないことも支援です。いろいろと考え迷っているのか,その考えも浮かばずに困っているのか,その見極めは日頃の様子から判断します。「迷い」には方向を示唆する助言が必要ですし,「悩み」や「困り」には,原因や問題を一緒に考える姿勢が大切です。参考となる考えを周りの友だちから得ることが,これから,様々な問題を解決していく上で役立つでしょう。15先生に必要なのは?Q::先生に必要な資質・能力はどのようなものですか。:先生の「感性」が指導の原点A:図画工作や美術でめざすのは,友だちと協同して学び合いながら,自分の考えたイメージを主体的に実現する子どもの姿です。自分の意志で決定することに意味があります。子どもたちは,一人一人の自分の“きれい”を見つけ出し,協同して学び合う中で,友だちの“きれい”にも,心動かすのです。それは形式的なグループ学習などを指すものではありません。何気ない行動の中に,子ども同士の結びつきを感じ取ることができます。先生は,子どもの「新しい大好き」を見つけ伝えることです。子どもたちの「大好き」を見つけ育てることのできる先生の「感性」が問われています。*)林健造『幼児の絵と心-子どもからあなたへのメッセージ』教育出版197653