ブックタイトル造形のABC
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造形のABC
16造形遊びと表現(2)の材料体験は同じ?材料を並べたり,組み合せたりする活動をしていても…:木切れを使ったり,ローラーでころころ転がしたり,造形遊びと表現(2)の材料体験は同じでしょうか。:多くの木切れを並べている活動があっても,ねらいがちがうと,育つ資質・能力も異なります。造形遊びでは,はじめに行為があり,材料を並べたり,積んだりするうちに,「いいこと考えた!」に代表されるようなひらめきが浮かび,活動が一層,積極的になる様がイメージできます。一方,表現(2)の材料体験は,予め「何をつくろうかなあ」と考え,木切れの形を吟味したり,組み合わせたりして,自分なりの作品を製作しようとする子どもの姿が浮かびます。発想と構想は一体で働きますが,造形遊びでは特に,「発想」(思考の方向が多種多様に変わっていく思考)が発揮されます。表現(2)では特に,「構想」(ある一定方向に導かれていく思考)が発揮され,イメージしたことが具体的な形になっていきます。*)そこには,指導計画のちがいがあります。例えば,子どもたちが準備した材料を使って絵の具で大きな紙にぺたぺた押したり,転がしたりして行為を楽しむ活動があります。「造形遊び」ならば,結果として行為の跡が作品となります。しかし,表現(2)の絵に表すのであれば,「世界一おしゃれな鳥をつくろう」という最終のゴールがあり,羽根にぺたぺた押した紙を使うなど,色のついた紙が数多く必要になります。ですから,子どもにも「おしゃれな鳥の羽根にするための活動」であることが,見えていなければなりません。これは,表現(2)の絵に表すための「材料体験」です。17T Vキャラクターをかく子どもには?:TVキャラクターをかく子どもの指導はどのようにするといいのでしょうか。:TVキャラクターには,やはり創造者がいて,つくり出す喜びを,作者自身は感じていたこと,真似ではなく自分なりの創意が加えられるかなど,子どもとのやり取りの中で解決策を見つけ出すことです。一方的で否定的な指示だけでは,子どもの納得は得られません。「TVキャラクターをかくのは休み時間」「次の特別活動の製作にTVキャラクターをもとにした活動をつくるからね」「TVキャラクターに自分だけの工夫を加えたらいいよ」なども考えられます。子どもの気持ちを受け入れた上で,授業のねらいや先生の思いを伝えることです。54*)恩田彰『創造性開発の研究』恒星社厚生閣1980