ブックタイトル子どものABC
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子どものABC
12どこで学ぶ誰が教える?どこで学ぶ?ある小学校の養護教諭から聞いた話です。「先生!トイレにトイレットペーパーがありません!」というので,予備のペーパーを抱えて,1年生のいうトイレに走って行きました。でも,トイレのペーパーホルダーには何か所も備え付けの紙はあるのです。首をかしげていると「違うよ!こっち!」と1年生のその子の示したトイレは……。そうです,それは洋式トイレのところであって,和式トイレは,ほとんど使われていないのです。さて,どう考えますか?「学校のトイレをすべて洋式にすべきだ」「和式のトイレの使い方を教えるべきだ」など,いろいろな意見が出てきそうです。我が国の家庭のトイレは,清潔な洋式のトイレがほとんどで,便座も温かくシャワーまで付いています。子どもは和式のトイレに接する機会が全くといっていいほどなくなりました。災害時など,おしっこがしたい,ウンチがしたいとき,和式タイプしかないことを想定して使えるように,教えますか?練習させますか?日本のトイレ環境は世界一衛生的だとも言われています。水の国ともいわれる我が国では,上・下水道も当たり前のように備わっています。街中の公共のトイレも無料で使えます。便利になりすぎて見えなくなっていることがあるのかもしれません。でも世界では,9.5億人が野外で排泄したり,5歳未満の子どもが不衛生なトイレに起因する下痢性疾患で1日に1000人が亡くなったりしています(世界保健機構調べ)。それぞれの国の文化や歴史があったとしても,トイレから考えさせられることは多いものです。育てる*)朝日新聞グローブ2015.9.6 No166「トイレから愛をこめて」17