ブックタイトル子どものABC
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子どものABC
15過保護と過干渉「怒らないから」と言いつつも大人が子どもを叱るときに,「怒らないから言ってごらん」といっても,子どもがその言葉を信じるかどうかです。大人の都合だけで,子どもに接すると,子どもは大人の嘘を見破ります。言葉にならないことでも,仕草や表情に表れているからです。子どもが成長するのに最も大切なことは「自分は愛されているんだ」「大切に思われているんだ」という自己肯定感・安心感です。子どもの様子が少しおかしいなと感じたら,「あなたのことを大切に思っているよ」という気持ちでそばにいるだけでいいのです。だまって抱きしめてあげることです。「過保護」はいいが,「過干渉」であってはいけないといいます。子どもが,望む願いにきめ細やかに応える「過保護の親バカ」は大いに結構ですが,子どもが望まず,自身で乗り越えなければならないことまで,先回りして親が手を出すのは「過干渉のバカ親」です。やがて戻る場所のある「放任」は,「行ってきます」と旅にでるようなものですが,「放置」は戻る場所もなく,さまよう逃避行です。家庭が「おかえり」といえる心の居場所になっているかどうかです。親を信頼することができると,子どもは人のことも信頼できるようになるのです。20*)佐々木正美『抱きしめようわが子のぜんぶ』大和出版2006