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概要

子どものABC

17してほしいことを伝える「だめ」「しなさい」現代の子育ては,禁止や命令があまりにも多くなり過ぎました。「だめ!やめなさい!いけません!」とついつい口にしてしまいます。否定的なことばかり言われてしまうと子どもはやる気を失っていきます。親として「こうしてほしくない」というときには,「してほしいこと」を肯定的に伝えることが大切です。*)「ゲームはやめなさい。晩御飯ですよ」という代わりに「あと20分で晩御飯ですよ」というように,親が期待していることや見通しを子どもにもたせることが大切です。親は子どもを急かせず見守ることで,子どもに忍耐や根気を育てることができます。干渉・指示型の親は,子どもが困らないように,先回りして,指示したり,準備したりします。子どもは依存的になり,自立できず,うまくいかないときは,親のせいにします。補助・支援型の親は,子どもの力で行動させ結果には親が責任をもちます。そうすると,子どもは失敗を受け入れ,安心して自分の力で行動することを身に付けていくのです。私たち親が直ぐに癇癪を起こしていたら,周囲の人とうまく生活することはできません。社会で生きるために,親自身が待つこと,順番を守ることで,子どもは身の回りから確実に学ぶのです。「育てる」という言葉には「成長させる,教え導く」という意味があります。他には「おだてる,のせる」という意味もあります。日本古来から「おだてる」文化が大切にされてきたのです。22*)ドロシー・ロー・ノルト著吉田利子訳『いちばん大切なこと』PHP研究所2005*)安藤鉄夫『新しい親・新しい子』楡書房1969*)トーマス・ゴードン著・近藤千恵訳『親業』大和書房1998