ブックタイトル子どものABC
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子どものABC
22「せっかく」「こんなに」「のに」他人転嫁はどこにむかう「せっかく~したのに4 4」「あんなに~したのに4 4」は,期待していたことが実現しなかったとき,つい口からでる他人転嫁に向かう言葉です。このあとは「こうなったのは△△のせい4 4」と自分に向かわず相手に向かいます。悪いのは相手であって自分ではないと,非難が続くのです。自分はどこかに置き忘れてしまいます。相田みつをの次のような詩があります。育てるあんなにしてやったのに『のに』がつくとぐちが出る*)相田みつを(『生きていてよかった』所収)どうでしょう。悔しさいっぱいでしょうが,これがあなたの癖になっているとしたら,周りの人はどんどん離れてしまうのではありませんか。まず,あなたの思いや努力は,相手に届いていますか。あなたは「こんなにしてやったのに」と思っていても,相手はそんなに必要なことと思っていなかったのではないでしょうか。もっと,話を聞いてほしい,感じてほしい,見ていてほしいと思っていたのではないでしょうか。すべては「話す」ことから始まるのではなく「聞く」ことから始まるのです。子どもと先生の関係がうまくいっている学級には信頼関係があります。「信頼」は一つ一つ積み重ねられて「信用」になります。特に,相手の悪口は,そのまま,あなたへの悪口になって戻ってくるのです。信頼は悪口からは築き上げられません。相手を肯定的にとらえ,ほめる人に「信頼」が築き上げられていきます。自分の周りを見渡してみてください。信頼できる人はいませんか。その人の口癖はほめる言葉ですか,そけなれとも人を貶す言葉ですか。*)相田みつを『しあわせはいつも』文化出版局1995*)佐々木正美著相田みつを書『育てたように子どもは育つ』小学館199927