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概要

子どものABC

26おかげさまおかげ(御蔭)とせい(所為)せい「負けた時は自分の所為勝った時はみんなの御蔭おかげ」チームの勝敗を決するような対抗戦で負けたとき,せい失敗した原因を求めるあまり「おまえの所為で負けたんだ」と,自分より他人に目が向くことがありますが,犯人探しをしても,問題は解決しません。でも,そんな時自分はどうだったのか,自分にもっとできることはなかったかと反省する気持ちを大切にしたいものです。反対に,勝ったときやうまくいったときは,自分の成果を強調するより,よい結果をもたらしたのは,周囲の人たちの蔭の力によるものと感謝し,謙虚に受け取ることが大切です。かげ「おかげさま」は,「蔭」に隠れているような存在でありながら,自分を育て支えているたくさんの人がいることを教えてくれる言葉です。かげ「おかげさまで」という言葉は,「蔭」に「御」と「様」を付けて感謝の気持ちをより高めています。「御蔭様で」というときは,ごく自然に謙虚さがにじみ出ています。ですから,卒業などのお祝い事で「御蔭様で」というのは,日本の風土が育てた大切な言葉です。私たちは人の支えによって生きることができているのです。「おかげのおかげ」なのです。「おかげさまで」や「ごめんなさい」が素直に,いえたなら,あなたの心は,また少し広く深くなりました。32*)上野幹夫『ごめんなさいが言えますか』エンゼル出版1981