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概要

子どものABC

27自らを成長させようとする力「やってみよう」と思う気持ち「できること・できないこと」には知識や技能などの一定の能力が必要です。でも,「やる・やらない」は意志や意欲の範疇です。意志や意欲によって行動にむすびつきます。「自転車に乗りたい」という意志や意欲から練習を重ね,技能が身について,やがて自転車に乗ることができるのです。乗ることができて達成感や充実感を味わい自分を少しほめることができます。子どもは,本来自らの内に,自らを成長させようとする力を秘めています。条件さえ整えば,その力に基づいて自己発達・自己形成を成し遂げようとするのです。1)赤ちゃんのときから,話すこと,立って歩くことができるようになるのは自らを成長させる力に導かれているからです。子どもは,人生の基礎を築いています。大人は,この子どもの基礎の上に,知識,経験および技術という上部構造を築いているのです。子どものときに学んだ成長の基礎は,端に言葉の獲得や手先の技能だけではありません。その基礎は,人間性とか道徳心とか,情操などのありとあらゆるもので成り立っているのです。私たち大人は,子どものときの成長の基礎の上に立っています。でも,大人になると,言い訳だけがうまくなったり,「できなかった,やれなかった」とか,「やらなかった自分」がいるのに嘘をついて誤魔化したりしています。「やろう」と思ったことが「できなかった」とき,「やらなかったのか」「やれなかったのか」反省しながら日が暮れていきます。子どもから学ばなくては……。まずやってみましょう。ともに生きる1)モンテッソ?リ著林信二郎・石井仁訳『モンテッソ?リの教育子どもの何を知るべきか子どもの発達と可能性』あすなろ書房1980*)トーマス・ズデンドルフ著寺町朋子訳『現実を生きるサル空想を語るヒト人間と動物をへだてる,たった2つの違い』白揚社201533