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概要

子どものABC

29あたりまえのことをていねいに一つ一つを大切に相田みつをの詩に「現代版禅問答」というのがあります。「ほとけさまの教えとはなんですか?」ゆうびん屋さんが困らないようにね手紙のあて名をわかりやすく正確に書くことだよ「なんだ,そんなあたりまえのことですか」そうだよそのあたりまえのことをこころをこめて実行してゆくことだよ私たちの人生は日々の出来事の積み重ねです。一つ一つを大切にすると,今まで見えなかった「もの」や「こと」が立ち上がってきます。道具の一つ一つに職人さんの心が見えてきたり,季節の行事などにも先人の心があることを学んだりすることができます。インターネットなど情報技術が高度になり,瞬時に情報をもたらすことができたとしても,手書きの手紙をもらった時の感激にはかないません。文字の向こうに送り手の心を見ることができるからです。手紙は「送る」のではなく,思いを「贈る」のです。たび「旅行」と「旅」を考えてみましょう。目的地まで直線的に無駄なく移動するのが「旅行(移動)」だとすると,「旅」は無駄も楽しみの一つとして,曲がりくねりしながら移動することです。手紙も,旅も,そして人生も,味わいながら,目的に応じて使い分けたいところです。散歩という旅も,心を豊かにするように思います。通勤・通学の道でも,いつもとは少し違う道を歩いて駅まで行くと,道端の草花との出会いがあるかもしれません。仕事を終えて帰る家路の風景が「家族」という灯が与えられて,美しく見えることでしょう。ともに生きる*)渡辺和子『面倒だから、しよう』幻冬舎201335