ブックタイトル子どものABC
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子どものABC
32子どもは未来赤ん坊を拝みなさい「赤ん坊を拝みなさい」1)というベビーカーの経営者がいます。それは経営戦略のことではありません。目の前の赤ん坊は,私たちが死んだあと,次の世界を見ることのできる「未来人」だというのです。赤ん坊を拝むことで,感謝の気持ちをもち,温かな関係をつくることができるというのです。おもねこれは「子どもに阿よ」と,へつらったり,甘やかしたりしなさいといっているのではありません。子どもを大事にすることは,そのまま私たちの未来につながっているということです。日本の子どもの幸福度は,貧困率などから先進31ヶ国中21位と低い順位に位置付いています2)。3)渡辺和子は大事にしたいものについて,「人のいのちも,ものも,両手でいただきなさい」といいます。赤ん坊や卒業証書を片手で持つ人はいません。一つ一つのものごとを,心を込めて丁寧に扱うことです。そのために,まず,子どもを理解することです。赤ちゃんが誕生する意味を,インドの詩人タゴールは,第一次世界大戦の戦火が欧州を覆っていた時代に,人類の未来を見据えて,「どの赤ん坊も,神はまだ人間に絶望していないというメッセージをたずさえてくる」4)といっています。新しい命はそれ自体が未来なのです。381)手塚治虫「ぼくのマンガ人生」岩波新書19972)ユニセフ・イノチェンティ研究所『先進国における子どもの幸福度』20133)渡辺和子『面倒だから,しよう』幻冬舎20134)タゴール著・藤原定訳『迷える小鳥』第三文明社1981