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概要

子どものABC

35変えたいことが変わらない風景の意味するものいつまでも変わらないことを意味する「不易」と,新しさを求めてたえず変化する「流行」は,教育界だけでなく様々なところで使われます。この「不易と流行」を,画家の曽宮一念は,「風景」1)に例えました。「景」は動くことのない山や大木などです。「風」は動き,流れる,光や,水,雲などを表しています。世の中にも一度決定され,定着すると,時代や社会とのズレが起こっても,なかなか変わらない・変えられないものがあります。前例踏襲や従来通りなども固定化・膠着化する原因になります。ある老舗の弁当店の社長は「変えてはいけないものほど変えやすい。変えるべきものほど変えるのが難しい」と,今も木製の弁当箱を使い続けて変えないでいるといいます。変えてはいけないものには,いったい何があるでしょう。民主主義のもとにある「平和」や「自由」「平等」もあるでしょう。また,変えなければならないものに,貧困からの脱却や教育の機会の恒常化などがあります。人間として「普通」の生活ができるかです。まず,守るべきものは「家族」の幸せです。この「幸せ」を不幸にしてはなりません。親が子どもを思う気持ちや子どもが親を慕う気持ちなどは未来永劫変わってはいけないものでしょう。変えてはいけないものを,どう皆で共有し守るか,また,変えなくてはならないものを,「幸福」という尺度で,どう一人一人が行動に移すかです。「行動」は変えることができます。できることを一歩一歩進めることです。自分で,自分の目標を立て実行することです。そして,自分を少しほめることです。その行動を,誰かが必ず見ていて認めています。ともに生きる1)林健造『アベリアの花』世界文化社1999*)辻信一『ハチドリのひとしずくいま,私にできること』光文社200541