ブックタイトル子どものABC
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子どものABC
36「雑育」にするもしないも雑草と雑用どんな気持ちで,茶碗洗いや洗濯をしていますか。植物学の牧野富太郎が,この世に雑草という草花はないといっているのと同じように,雑用という「用」1)はありません。「用を雑にした時」に雑用が生まれます。「つまらない仕事」「役に立たないこと」と自分で決めて,いやいや行っているときに生まれる言葉です。ひとつひとつの「用」に対して,どれだけの心が込められるかです。同じ時間でも,その時間の使い方ひとつで,自らの心も磨かれていくのです。子育ては「命」を扱っています。子どもは親に対して絶対の信頼のもとに,「命」を預けているのです。何ごとも,大事なものとして考え,扱うとしたら,相手も自分も大切にしていることになります。2)日本の幼児教育の礎をつくった倉橋惣三は,幼稚園の先生の仕事を「忠実さ」と表しました。これは「まめやかさ」と読みます。子どもの心の動きをとらえながら細やかに支援する様子を表しています。私たまめちの国を支えてきたのは,ひとつひとつを丁寧に忠実まめ忠実しく働く勤勉さであったのです。3)戦後の新教育の変化を松丸志摩三は,「子どもをなぐることが少なくなったが,子どもの人権は守られているか」といい,人の子の親であるかぎり,家族一人一人の命を大切にできるかを,親や大人が反省しながら,共に歩んでいくことを訴えています。時代を経4 4て,現代の子どもの命は守られているか,「雑育」になっていないかと問い返すことでしか改めることができません。421)渡辺和子『面倒だから,しよう』幻冬舎20132)倉橋惣三『育ての心』フレーベル館19763)松丸志摩三『しつけの責任はだれに』明治図書1957