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概要

子どものABC

2夢中になることの意味夢中になる「こんなことでどうして子どもは喜ぶの?」と思うことがあります。例えば,水遊びや泥んこ遊びなどです。水遊びを好むのは,産まれる前の母胎での記憶があるからなど諸説あります。子どもが夢中になる遊びには理由があります。夢中になることは成長に必要なこととして,秋田喜代美は「支える仲間がいる教室において居場所感があり安心できる環境で,学習内容に没頭できることで真の学びにつながる」1)といっています。夢中になることでしか得られないことがあります。子どもたちはどんな時に,どんなことに夢中になるでしょうか。子どもを見つめ,子どもから学ぶことです。いちばん大切なこと詩人のまど・みちおは,小学生にあてて「どんなちいさなことでもぜんりょくをあげてやるしゅうかんをつけるのがいちばんたいせつなのです。」2)と手紙に書きました。「小学生はうまれてはじめてのがっこうで,たった一かいきりのすばらしい『とき』です。すっごい『とき』です。」と続けています。学校や教室は,夢中になれるところです。全力で取り組むことができる場所でなくてはなりません。「人間は必ず死にます。だからこそ限りある生に人それぞれが自分なりに意味を見出す必要がある。」3)今を精いっぱい生きることを子どもが教えてくれています。6*1)秋田喜代美『学びの心理学授業をデザインする』左右社2012*2)まど・みちお『まどさんからの手紙こどもたちへ』講談社2014*3)ロバート・フルガム著池央耿訳『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』河出書房新社1990