ブックタイトルまなびと+(プラス) Vol.9

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まなびと+(プラス) Vol.9

大原龍一先生の道徳教育で素敵な人生を創ろうよ日本文教出版のWebサイト内で連載中の「まなびと」にて、小学校では2018年度から、中学校では2019年度から全面実施される「特別の教科道徳」(道徳科)についての最新情報をお届けする新コラム『学び!と道徳』の連載が始まります。「道徳教育で素敵な人生を創ろうよ」をテーマに、明星大学准教授・青山学院大学兼任講師の大原龍一先生(写真)が執筆を担当。今回は連載第1回目の記事を、お手元にお届けします。第1回「語る!」道徳教育の基本はここにあり1はじめにはじめまして。このたび、「学び!と道徳」を担当させていただくことになりました大原龍一です。道徳の教科化(特別の、新しい枠組みによる)が教育界における大きな話題の一つになっている昨今、現場の皆様に少しでもお役に立てるような記事や情報を提供し、道徳教育の振興にいくばくか寄与したいと思っています。頑張ります。よろしくお願いいたします。2道徳教育の基本は「語る」さて、いきなり道徳の教科化云々から始めるのも気分的に「重い」ので、普段私が考えていることをいくつか紹介させていただこうかと思います。今回は「語る」をテーマにしたいと思います。道徳教育を貫く基本的なスタンスとして、私は「語る」ことを位置づけているからです。もちろん、週一時間の道徳の時間の指導においても「語る」ことを重視しています。(1)「語る」ということ「語」という漢字を二つに分けてみました。「吾(われ:自分)」+「言(う)」となります(実は、これは道徳の大先輩から教わったことです)。ですから、自分が自らを心から話すこと。これが話すこと。これが語るということになります。これは、「?自分のことを言う?語る」でもありますし、「?自分のこととして、自分のものとして(自己の内面できちんと咀嚼して)言う?語る」ことももちろん、「?相手に分かりやすく自分の主張や考えを話す?語る」でもあるわけです。まさに道徳の基礎・基本ではないでしょうか。広辞苑を引いてみますと、「1事柄や考えを言葉で順序立てて相手に伝える。2筋のある一連の話をする。3節や抑揚をつけてよむ。朗読するように述べる。4親しくする。うちとけて付き合う。5内部事情や意味などをおのずからに示す。」とあります。よく見てみると、上記「???」と同様、これらも道徳教育ならびに道徳の授業を行う上での基本姿勢であると私は考えます。(2)教師は、まず自分を「語る」道徳教育を効果的に推進していく上で最も留意しなければならないことは、教師と子どもとの豊かな人間関係を醸成することだと考えます。小学校学習指導要領解説「道徳編」においても、教師と児童・生徒との人間関係を深めることの必要性・重要性が以下説かれています。教師と児童の人間関係においては,教師に対する児童の尊敬と,児童に対する教師の教育的愛情,そして相互の信頼が基本になる。したがって,教師には児童を尊重し受容する態度及び児童の成長を願う教育的愛情が不可欠である。また,教師自身がよりよく生きようとする姿勢をもつことによって,自己を常に向上させようとしている児童の強い共感を呼び,それが信頼関係の強化につながる。これらのためにも,教師と児童が共に語り合うことのできる場を日常から設定し,児童を理解する有効な機会となるようにしていくことが大切である。(小学校学習指導要領解説「道徳P.113」下線部:大原)そのため、私は自分を子ども(今は、学生)に語るようにしています。自分について語り、自らの胸襟を開き「どうぞいらっしゃい」と迎え入れる姿勢が子どもたちの共感を呼ぶと考えています。しかし、どうしても自分をさらけ出すことにもなり恥ずかしい限りではありますが「私はこうやって生きてきた」ということを語っています。そうすると、子どもたちも徐々に断片的ではありますが自分のことを話すようになってきます。このことは、小学生のみならず大人である大学生にも通じること